【歌詞和訳】Sting「Shape of My Heart」は映画「レオン」の哀愁を倍増させる!?
今回、歌詞を和訳するのはスティングの「シェイプ・オブ・マイ・ハート」。
この「シェイプ・オブ・マイ・ハート」は、リュック・ベッソン監督の名作である映画「レオン」のエンディングテーマに使われています。この映画、本当に名作です。
昔、「レオン」を初めて見た時、映画の最後のシーン、もの凄く切なくてやるせなくなっていて、そんな中この「シェイプ・オブ・マイ・ハート」が流れてきて・・・意味は分からないけど、ただただ悲しい曲なんだっていう印象でした。
大人になって、歌詞を和訳してみると、少しは意味が分かるかも?
映画「レオン」の世界を意識しつつ、スティングの「シェイプ・オブ・マイ・ハート」の歌詞を和訳してみます。
Sting「Shape of My Heart」のMV
【歌詞和訳】Sting「Shape of My Heart」
以下、英語歌詞は引用 日本語歌詞はオリジナル
Sting『Shape of My Heart』
He deals the cards as a meditation
彼は心を無にしてカードを配る
And those he plays never suspect
そこに疑念はない
He doesn't play for the money he wins
彼はお金を得る為ではなく
He doesn't play for the respect
名声を得たいわけでもない
He deals the cards to find the answer
彼を答えを見つける為にカードを配るのだ
The sacred geometry of chance
「チャンス」とは何か?数学で解ける気がして・・・
The hidden law of probable outcome
確からしい結果の裏には「法則」が隠れている気がして・・・
The numbers lead a dance
人は「数字」に翻弄される
I know that the spades are the swords of a soldier
私は知っている 「スペード」は兵士の剣を象徴している
I know that the clubs are weapons of war
「クラブ」は戦う為の武器だ
I know that diamonds mean money for this art
「ダイヤ」はこのギャンブルがもたらす金を意味している
But that's not the shape of my heart
だけど それ(「ハート」)は、私の心の形ではない
He may play the jack of diamonds
彼はダイヤのジャックを出すのかも?
He may lay the queen of spades
スペードのクイーンを置いてくるかも・・・
He may conceal a king in his hand
キングを隠し持っているかもしれない
While the memory of it fades
その事を次第に忘れながらも
I know that the spades are the swords of a soldier
私は知っている 「スペード」は兵士の剣を象徴している
I know that the clubs are weapons of war
「クラブ」は戦う為の武器だ
I know that diamonds mean money for this art
「ダイヤ」はこのギャンブルがもたらす金を意味している
But that's not the shape of my heart
だけど それ(「ハート」)は、私の心の形ではない
That's not the shape, the shape of my heart
それは私の心の形ではない 私の心の形では・・・
And if I told you that I loved you
もし 私が君に「愛している」と告げたら
You'd maybe think there's something wrong
君は「どうしたの?」って思うだろう
I'm not a man of too many faces
私はいくつもの顔を使い分けられるような人間ではない
The mask I wear is one
私の顔は一つだけ
Those who speak know nothing
よくしゃべる人間ほど、(勝負のなんたるかを)何も知らない
And find out to their cost
そして その代償を払うことになる(負けることになる)
Like those who curse their luck in too many places
不運ばかりを嘆いている奴のように
And those who fear are lost
恐れている者に勝利はない
I know that the spades are the swords of a soldier
私は知っている 「スペード」は兵士の剣を象徴している
I know that the clubs are weapons of war
「クラブ」は戦う為の武器だ
I know that diamonds mean money for this art
「ダイヤ」はこのギャンブルがもたらす金を意味している
But that's not the shape of my heart
だけど それ(「ハート」)は、私の心の形ではない
That's not the shape of my heart
それは、私の心の形ではない
Sting「Shape of My Heart」歌詞を和訳してみて・・・
Sting「Shape of My Heart」の歌詞を和訳してみて、なんだか意味が分かったような、やっぱり分からないような・・・
「Shape of My Heart」は「ポーカープレイヤー」を歌った曲らしい。なるほど、ギャンブルの世界に生きる人間に漂う哀愁のようなものを曲全体から感じます。そして、その哀愁は「レオン」からも感じる。
「ギャンブル」という世界、「殺し屋」という世界。世界は違えど、何かを賭ける、勝負する、そういったヒリヒリする一般とは違う世界に生きている人間を歌った曲だから、映画「レオン」の主題歌になりえたのですかね。
映画「レオン」は、ずっと慎重に慎重を重ね、自分の流儀でやってきた殺し屋レオンが、少女マチルダと出会い、マチルダに対して芽生えた「愛情」が故に、自分の流儀を変え、そして、マチルダを救う代わりに・・・というストーリー。
なるほど、レオンは凄腕のポーカープレイヤーのごとく、無駄口は叩かず、一つの顔しか持たない(持てない)、そんな人間。歌詞の中にも、「よくしゃべる人間ほど、その代償を払う」とありますが、レオンはそれを承知していた人間。だから、少女マチルダを世話するなんて、ましてや愛情を持ってしまうなんて、もっての他だと、他ならぬレオン自身が分かっていたこと。
それなのに、殺し屋であるにも関わらず、非常になれず、少女を見捨てられないレオンの本当の人間性と、芽生えてしまった愛情が、映画では丁寧に描かれており、それゆえに映画の終わりでは無性に切なく、やるせない気持ちになります。
ポーカーの世界では、無駄口をたたかず、心を悟られず、一つの顔しか持たないことが鉄則。もし、破れば、それは命とり。それは、殺し屋の世界でも同じことであり、それを重々承知していたレオンだが、自ら破ることになり、「Shape of My Heart」の歌詞と同じく、「代償」を払うことに・・・
Sting「Shape of My Heart」には、「ギャンブル」という世界に身を投じてしまった人間の哀愁が漂っており、映画「レオン」では「殺し屋」という世界に置き換えて、主題歌として使われているのかなと。
歌詞を和訳していて、今だに意味がはっきりと分からない部分が。タイトルにもなっている、「That's not the shape of my heart」の部分。「スペード」「クラブ」「ダイヤ」の意味は知っている・・・「ハート」は「心」を意味するけれど、私の心の形はこんな形ではない・・・って、意味が深すぎて、うまくとらえきれませんでしたー。
しかし、もしもこの曲の主人公がレオンとダブるのであれば、「That's not the shape of my heart」はレオンのセリフでもある??
何か、レオンがずっと心に抱いていた心の叫びのような気がしてくる。「違うんだ」って。