【歌詞和訳】ボブ・ディラン「風に吹かれて」は世の中に対する嘆きが詰まっている!!
今回、歌詞を和訳するのはボブ・ディランの『風に吹かれて』。
原題は、『Blowin' in the Wind』。シンガーソングライターでありながら、2016年のノーベル文学賞を受賞したことでも、話題になりましたね。村上春樹さんは、またも残念(笑)
ボブ・ディランの歌詞は、それだけ文学的にも優れているという評価なんでしょうね。その文学的な歌詞の中でも、やはり『風に吹かれて』の歌詞は、しびれます。もう、人類全体に訴えかける、ボブの嘆き。
ボブ・ディランの『風に吹かれて』の歌詞の和訳を見ていきましょう。
ボブ・ディラン「風に吹かれて」Blowin' in the WindのMV
【歌詞和訳】ボブ・ディラン「風に吹かれて」Blowin' in the Wind
以下、英語歌詞は引用 日本語歌詞はオリジナル
ボブ・ディラン『風に吹かれて』
How many roads must a man walk down
どれだけの道を歩めば
Before you call him a man?
一人前の「男」とみなされるのだろう
How many seas must a white dove sail
白鳩はどれだけの海を渡れば
Before she sleeps in the sand?
砂の上で休むことができるのだろう
Yes, and how many times must the cannon balls fly
どれだけの砲弾が飛び交えば
Before they're forever banned?
撃つことを止めることができるのだろう
The answer, my friend, is blowin' in the wind
友よ 「答え」は風に吹かれている
The answer is blowin' in the wind
「答え」は風に吹かれている
Yes, and how many years can a mountain exist
山はどれだけの年存在できるのだろう
Before it's washed to the sea?
海に浸食されるまで
Yes, and how many years can some people exist
何年かかるのだろう
Before they're allowed to be free?
ある人々が自由になるまでに
Yes, and how many times can a man turn his head
人は何度顔を背けるのだろう
And pretend that he just doesn't see?
見ないふりをして
The answer, my friend, is blowin' in the wind
友よ 「答え」は風に吹かれている
The answer is blowin' in the wind
「答え」は風に吹かれている
Yes, and how many times must a man look up
人は何度見上げれば
Before he can see the sky?
空を見ることができるのだろう
Yes, and how many ears must one man have
人はどれくらいの耳があれば
Before he can hear people cry?
人々の悲しみが聞こえるのだろう
Yes, and how many deaths will it take 'till he knows
どれくらいの人が死ねば
That too many people have died?
あまりに多くの人々が死んだことに気づくのだろう
The answer, my friend, is blowin' in the wind
友よ 「答え」は風に吹かれている
The answer is blowin' in the wind
「答え」は風に吹かれている
ボブ・ディラン「風に吹かれて」 歌詞を和訳してみて・・・
ボブ・ディランの『風に吹かれて』の歌詞を和訳してみて、ボブ・ディランの深い嘆きが心に染み入ってきますよね。歌詞だけではなく、曲にもそういった悲哀を感じます。
この歌には多くの疑問が登場します。その疑問の一つ一つにボブの嘆きが詰まっている。途中登場する「白い鳩」も平和をイメージしている気がしますね。「白い鳩はどれだけ飛べば休めるのか」は「いつになったら平和になるのか」とも聞こえてきます。
曲のタイトルにもなっている「blowin’ in the wind」の部分の和訳は「風に吹かれている」としました。この部分の和訳の解釈一つで、この歌の意味はだいぶ変わってきますよね。
答えは「神のみぞ知る」といった意味あいなのか、それとも「すぐそこにあるのに」 といった意味あいなのか。「神のみぞ知る」であれば、ちょっと匙を投げた感じで、よりネガティブな嘆きに聞こえてきます。「すぐそこにあるのに」であれば、嘆いてはいるものの、前を見て諦めていない感じがしますよね。
個人的には、その両方を綯い交ぜにした感じのような気がします。「風の中にある」であれば、すぐ身近にある気がしますが、でも「風に吹かれている」んですよね。近くにはあるけど、風に吹かれてしまっている。「風の中にある」よりも、吹かれていることで、飛んでいってしまうという意味あいがあるような。「近くにあるのに、手にすることができないもどかしさ」それが、ボブ・ディランにとってのは「平和」なのかな?(勝手な想像です)
「砲弾は・・・」「どれだけ死ねば・・・」戦争などで殺し合う平和とは思えないこの世の中に対する嘆き。そして、そこから顔を背ける人々に対する嘆き。
ボブ・ディランの『風に吹かれて』の歌詞を和訳して、一番感じたのは、やはりボブ・ディランの世の中に対する嘆きでした。