【歌詞和訳】サウンド・オブ・サイレンス/サイモン&ガーファンクルの詩を解釈すると心がザワザワする
今回、歌詞を和訳するのはサイモン&ガーファンクルの『The Sound of Silence(サウンド・オブ・サイレンス)』。
1960年代の古い歌ですね。もう、歌詞を和訳するとわかりますが、内容の捉え方が難しい歌です。なにか、すごい文学的。そもそも、タイトルの和訳からして難しい。
直訳して、「サウンド・オブ・サイレンス」を「沈黙の音」とか「静寂の声」とするのは、歌詞を和訳しているとなんかしっくりこない。あえてここは幅を持たせて「静寂」としました。「サウンド」が訳されていないじゃないかって感じですが(笑)
曲調も、なにか語り掛けてくるような感じで、歌い手の心のざわつきや「不安」のようなものが伝播する感覚。
この文学的な一曲の歌詞を和訳することに挑戦!この歌の解釈は、後半で。
サウンド・オブ・サイレンス/サイモン&ガーファンクル(The Sound of Silence/Simon & Garfunkel)のMV
【歌詞和訳】サウンド・オブ・サイレンス/サイモン&ガーファンクル(The Sound of Silence/Simon & Garfunkel)
以下、英語歌詞は引用 日本語歌詞はオリジナル
Simon & Garfunkel『The Sound of Silence』
Hello darkness, my old friend
やぁ「暗闇」 僕の古い友人
I’ve come to talk with you again
また君と話をしに来たよ
Because a vision softly creeping
なぜかって、あるビジョンが忍び寄ってきてるからさ
Left its seeds while I was sleeping
僕が寝ている間に残された「種」
And the vision that was planted in my brain
そして、 僕の頭に残るそのビジョンは
Still remains within the sound of silence
今もまだ「静寂」の中に潜んでいる
In restless dreams I walked alone
そわそわした夢の中、僕は独りで歩いていた
Narrow streets of cobblestone
石畳の狭い通りをね
Neath the halo of a street lamp
街灯の明かりの下
I turned my collar to the cold and damp
僕は街の寒さに襟を立てた
When my eyes were stabbed by the flash of a neon light
僕の目にネオンの光が飛び込んだ時
That split the night And touched the sound of silence
それは夜を切り裂き、「静寂」に触れたんだ
And in the naked light I saw
その光の中で僕が見たのは
Ten thousand people, maybe more
一万人 たぶんそれ以上の人々
People talking without speaking
みんな しゃべってはいるけど会話はしていない
People hearing without listening
みんな 聴いてはいるけど聞いてはいない
People writing songs that voices never share
みんな 誰に聴かせるでもない歌を書いている
And no one dare Disturb the sound of silence
そして 誰もこの「静寂」を妨げない
“Fools” said I, “You do not know Silence like a cancer grows”
「愚か者!」僕は言った
“You do not know Silence like a cancer grows”
「君たちは知らないのか?「静寂」は癌のようにはびこることを」
Hear my words that I might teach you
「教えるから 僕の声を聞くんだ」
Take my arms that I might reach you
「差し伸べるから 僕の腕をつかむんだ」
But my words like silent raindrops fell
だけど 僕の言葉は静かに雨粒のように落ちた
And echoed In the wells of silence
そして 「静寂」の井戸の中でこだまする
And the people bowed and prayed
そして 人々は頭を垂れ祈る
To the neon god they made.
彼らが作った「ネオンの神」に
And the sign flashed out its warning.
すると 光って発せられたお告げが警告する
In the words that it was forming And the signs said.
ネオンが作り出したお告げはこう言っていた
”The words of the prophets are written on the subway walls And tenement halls.“
「予言者の言葉は地下鉄の壁や安アパートの玄関に書かれている」
And whisper’d in The Sounds of Silence.
そして 「静寂」の中でささやいた。
解釈 サウンド・オブ・サイレンス
歌詞を和訳してみて思ったのが、まるで「聖書」のような小さな物語みたい。(まあ聖書は物語がたくさん詰まっていますが)「ビジョン」「ネオンの神」「お告げ」とかが登場するからそう思ったんですかね。
タイトルの「サウンド・オブ・サイレンス」は「静寂」と和訳することにしたんですが、これは個人的な解釈では「社会の静寂」という感じですかね。歌の途中で、「みんな しゃべっているけど会話していない」「みんな 聴いているけど聞いてない」という部分は、時代が進むにつれて人と人とのつながりが希薄になっていることや、お互いに関心を持つことが減っていることへの漠然とした不安なのかなと。
もしくは、社会が何か見て見ぬフリをすることへの憤り。歌詞に登場する「ネオン」が意味するのは、「現代」?お告げは「地下鉄の壁」「安アパートの玄関」に書かれていると歌詞にありますが、どちらも「スラム街などの落書き」を連想しますよね。つまりは、「貧困層の声」?
現代社会、貧困層など見たくないモノは、見て見ぬフリをして、そういう慣習は社会に静かに広まっていき、このことに誰も声をあげない。こんな不安を思う歌なのかなと。深読みしすぎですかね(笑)
もしこんな和訳な感じの捉え方の歌だとすると、なんか最後の部分、お告げをくれた神様も、「ウィスパー ささやく」じゃなくて、もっと大きな声で警告してくれよって気がしちゃいますけどね(笑)
歌詞を日本語にしてみてから、もう一回聞いてみると、なんか心がザワザワするそんな感じの歌。