【歌詞和訳】デヴィッド・ボウイ「ブラックスター」180度違う印象を持つ意外なストーリー!?
今回、歌詞を和訳するのはデヴィッド・ボウイの「ブラックスター」。
彼の最後のアルバムとなった「Blackstar」から同名の一曲。
そして、本当に難解な曲です。
カルト教団のおぞましい秘密に儀式を覗いているような緊張感から曲は始まります・・・そして、ブラックスターの誕生というストーリーなのですが・・・。
歌詞を和訳し終えると、「ブラックスター」に対する印象は全然違ったものに!?
しかし、この曲の受け取り方はやっぱり、難解です。
ただ言えるのは、この曲を書いている時のデヴィッド・ボウイは確実に「自分の死」いや「人間の死」というモノを意識しており、それがこの曲には反映されているということ。
デヴィッド・ボウイが感じた「死」というモノを意識しながら、デヴィッド・ボウイの「ブラックスター」の歌詞を和訳してみました。
【歌詞和訳】David Bowie「Blackstar」
以下、英語歌詞は引用 日本語歌詞はオリジナル
David Bowie『Blackstar』
In the villa of Ormen, in the villa of Ormen
オーメンのほこらの中で オーメンのほこらの中で
Stands a solitary candle, ah-ah, ah-ah
ひっそり佇む一本のロウソク
In the centre of it all, in the centre of it all
すべての真ん中で すべての真ん中で
Your eyes
あなたの瞳が・・・
On the day of execution, on the day of execution
執行の日に 執行の日に
Only women kneel and smile, ah-ah, ah-ah
女達だけがひざまずき そして ほほえむ
At the centre of it all, at the centre of it all
すべての真ん中で すべての真ん中で
Your eyes, your eyes
あなたの瞳が・・・
Ah-ah-ah
Ah-ah-ah
In the villa of Ormen, in the villa of Ormen
オーメンのほこらの中で オーメンのほこらの中で
Stands a solitary candle, ah-ah, ah-ah
ひっそり佇む一本のロウソク
In the centre of it all, in the centre of it all
すべての真ん中で すべての真ん中で
Your eyes
あなたの瞳が・・・
Ah-ah-ah
Something happened on the day he died
何かが起こった 彼が死んだ日に
Spirit rose a metre and stepped aside
魂は浮かびあがり ふらふらと移動すると
Somebody else took his place, and bravely cried
誰かがそこに入った そして 声高に叫んだ
(I’m a blackstar, I’m a blackstar)
私がブラックスター 私がブラックスター
How many times does an angel fall?
天使は 何度堕ちるのだ?
How many people lie instead of talking tall?
どれだけの人々が 大げさな話の代わりに嘘をつくのだ?
He trod on sacred ground, he cried loud into the crowd
彼は神聖な地に足を踏み入れ 群衆に向かって叫んだ
(I’m a blackstar, I’m a blackstar, I’m not a gangster)
私がブラックスター 私がブラックスター ギャングスターではない
I can’t answer why (I’m a blackstar)
理由は教えられない (私がブラックスター)
Just go with me (I’m not a filmstar)
ただ 私と共にゆくのだ (映画スターではない)
I’m-a take you home (I’m a blackstar)
お前を家へと帰そう (私がブラックスター)
Take your passport and shoes (I’m not a popstar)
さぁ パスポートと靴を持て (ポップスターではない)
And your sedatives, boo (I’m a blackstar)
鎮痛剤もな (私がブラックスター)
You’re a flash in the pan (I’m not a marvel star)
お前の存在は はかなく小さい (マーベルスターではない)
I’m the great I am (I’m a blackstar)
しかし 私は偉大だ (私がブラックスター)
I’m a blackstar, way up, on money, I’ve got game
私はブラックスター 「お金」よりも高貴な存在 私は支配した
I see right so wide, so open-hearted pain
私は 広く物を見て 寛大だ
I want eagles in my daydreams, diamonds in my eyes
私が欲しいのは 白昼夢の中の鷹 瞳の中のダイヤモンドだ
(I’m a blackstar, I’m a blackstar)
私はブラックスター 私はブラックスター
Something happened on the day he died
何かが起こった 彼が死んだ日に
Spirit rose a metre and stepped aside
魂は浮かびあがり ふらふらと移動すると
Somebody else took his place, and bravely cried
誰かがそこに入った そして 声高に叫んだ
(I’m a blackstar, I’m a star star, I’m a blackstar)
私はブラックスター 私はスターの中のスター 私はブラックスター
I can’t answer why (I’m not a gangster)
理由は教えられない (ギャングスターではない)
But I can tell you how (I’m not a flam star)
しかし どうすればよいかは教えてやろう (映画スターではない)
We were born upside-down (I’m a star star)
我々は 逆さまに生まれてきた(私はスターの中のスター)
Born the wrong way ‘round (I’m not a white star)
逆さまに生まれてきたのだ
(I’m a blackstar, I’m not a gangster
私はブラックスター ギャングスターではない
I’m a blackstar, I’m a blackstar
私はブラックスター 私はブラックスター
I’m not a pornstar, I’m not a wandering star
ポップスターではない さまようスターではない
I’m a blackstar, I’m a blackstar)
私はブラックスター 私はブラックスター
In the villa of Ormen stands a solitary candle
オーメンのほこらの中で ひっそりと佇む一本のロウソク
Ah-ah, ah-ah
At the centre of it all, your eyes
すべての真ん中で あなたの瞳が・・・
On the day of execution, only women kneel and smile
執行の日 女たちだけがひざまずき そして ほほえむ
Ah-ah, ah-ah
At the centre of it all, your eyes, your eyes
すべての真ん中で あなたの瞳が あなたの瞳が・・・
Ah-ah-ah
David Bowie「Blackstar」歌詞を和訳してみて・・・
秘密の場所で始まる、カルト教団の危険な儀式が始まる・・・
そんな緊張感を漂わせる歌詞と音楽と共に曲は進行しますが、
「ブラックスター」が誕生する部分は、意外と明るい曲調なんです(笑)これまた難解。
そして、そのブラックスターの台詞を和訳してみると、「あれ?こいつ意外と良い奴だな」って感じ(笑)
なんか冒頭の緊張感から想像するに、「悪の魔王」のような存在が誕生するのかと思いきや、結構良い奴。
あまつさえ、「お前を家に帰してやる パスポートと靴を持て 鎮痛剤もな」って、ブラックスターやさしい!!
全体的には、カルト教団の秘密の儀式を覗くような緊張感漂う曲調なのですが、ブラックスター誕生のくだりの曲調は意外と明るい。
そして、このブラックスター誕生のきっかけになるのは、「ある男の死」。
その男の死をきっかけに、不思議な出来事が起きて、ブラックスターは誕生するのです。
この、ある男の死という部分に、デヴィッド・ボウイが何も考えていない方が不自然ですよね。
「自分が死んだ後、それを引き継ぐかのように次のスターが生まれる」
そんな事をデヴィッド・ボウイは思っていたのかも!?なんて考えちゃいました。
ちなみに、このブラックスターは意外と雄弁で「ギャングスターではない 映画スターではない ポップスターではない」なんて語ってます。
もしかして、このセリフもデヴィッド・ボウイの心の声なのかも!?
カルトな緊張感しか無いかと思いきや、ブラックスターが意外と明るくて良い奴だった、デヴィッド・ボウイの「ブラックスター」の歌詞の和訳でした。